外は賑やかだったのに、部屋に入ってきた彼の肩は少し固かった。
布団に入ってからも最初は少し距離を置いていた。
でも私がそっと背中に手を当てて、ゆっくり呼吸を合わせていくと、
だんだん体温が重なって、背中の力がふっと抜けていった。
そのまま静かにしていると、
彼の寝息が少しずつ深くなっていく。
最初は浅くて早かったのに、
まるで長い間我慢していたものをようやく手放したような、
穏やかなリズムに変わる瞬間が本当に好きだ。
このお店に来てくれる方の多くは、
上手い言葉や特別なテクニックを求めているわけではない。
ただ、誰にも見せられない疲れを、
そのまま隣で受け止めてほしいだけなのだと思う。
私は44歳の叔母さんみたいな体で、
ただそこにいて、温もりを分け、
黙って寄り添うことしかできない。
でもそれが、意外と一番必要とされていることに気づいた。
おでこをくっつけて眠りたいと言った私の言葉は、
そのまま本音です。
夜が深いほど、
人肌の温度が優しく染みていく。
そんな当たり前のことを、
今日もまた一つ実感した。
あなたがもし眠れない夜が続いているなら、
いつでもここにいらしてください。
私はただ、静かに隣にいますから。

